転勤族のママ子ですが、札幌に1歳前の子供と一緒に転居して来てから悩んだことが、「小児科選び」でした。
以前住んでいたところでは、「自宅から近い」というただそれだけの理由で小児科を選んでいました。それは子供の風邪やケガを目的とした受診ではなく、毎月ある予防接種だけのための受診だったので、何より自宅から近いことは便利でした。
しかし、娘が風邪などの病気にかかるにつれ、「自宅から近い」≠「最適な治療」ということを感じるようになりました。
病院選びは、「保険制度上、患者は病院やクリニックを自由に選ぶ権利がある」ということになりますが、裏を返せば医療機関を選ぶ権利があるということは、選んだ責任を負う必要があるということになります。
子どものことになると、妙に心配症になってしまうママ子ですが…(笑)
皆さんはどうですか??
そこで、ママ子的視点から、どのようなポイントで小児科を選んだらよいかを実体験なども交えつつまとめてみました。参考にしていただけたらと思います。
Contents
小児科の選びのポイント
自宅からの距離とアクセス
自宅から近いに越したことはありません。生まれたばかりのお子様がいる家庭は生後2カ月目から約半年まで毎月予防接種で通わなければなりません。
歩いて行ける距離がベストですが、自転車や車で行く場合の移動時間がそれほどかからない距離にあれば安心です。
小児科専門医の有無
中学生くらいになると子どもを小児科に受診させたらいいのか、それとも一般内科に受診させたらいいのか迷う方もいると思います。日本小児科学会によると、小児科が診療する対象をこれまでは中学生までのところを、「成人までとする」とし年齢を引き上げています※1。
子どもは子供特有の病気が数多くあり、似たような症状にみえて、大人と子供では治療の方法が異なるケースがあります。そのため、小さなお子様がいる方は間違いなくまずは小児科に受診されると思いますが(耳鼻科疾患や皮膚科疾患などは別に)、中学生以降のお子様が受診される場合は、小児科もしくは小児科専門医がいる病院を探しましょう
※1 公益社会法人日本小児科学 https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=66
医師、看護師の対応とコミュニケーション
かかりつけの小児科にしたい最重要ポイントは、医師や看護師の対応という方も少ないと思います。診察が丁寧で説明が分かりやすい、ママやパパの話を親身に聞いてくれ質問に的確に答えてくれる、相談しやすい、処方された薬の効果や副作用飲ませ方の説明や留意点を教えてくれる、注射などの処置時「子どもの知る権利」を尊重してくれている(たとえ言葉が完全に理解できなくても、その子なりに納得のできる説明をしてくれているか)など、医師や看護師の対応とコミュニケーションの取りやすさはママやパパの安心感にもつながると思います。
院内の設備
子どもが気軽に入りやすい病院は子供にとっても印象が良いものです。院内が清掃されていて清潔感がある、オムツ交換台・授乳室の有無、キッズスペースがあるかはママやパパ、子供にとっても待ち時間を楽しく過ごせると思います。
感染予防対策(予防接種外来・乳幼児健診枠の有無)
水疱瘡や、おたふく、麻疹、風疹などなどの感染力の強い伝染病に対する隔離を行っているか。予防接種外来の有無や乳幼児健診の時間帯は病児と分けて診察しているかは、健康な状態で予防接種や乳幼児健診で受診ですが、同じ待合場に他の子の病気がうつってしまう場合があるからです。
医師・病院間のネットワーク
医療従事者でない一般の方には見えにくいポイントですが、非常に重要なポイントの一つです。開業医でも病院でも周囲の医療機関と連携できている(仲が良い、信頼されている)というのはとても重要です。クリニックはじめかかりつけの先生は幅広く診療していますが、珍しい病気や治療が難しい病気と思われる場合は当然詳しく見れる医師や病院に紹介することになります。その際に、ネットワークの広い医師であればすぐに良い医師・病院を紹介してもらえます。一方で、顔が広くない、評判が悪い場合は適切な病院に紹介してもらえず、子どもが重篤化することは往々にあります。また、冬場など感染症で病院が混雑している場合は、紹介元によって受け入れてもらえるかどうかが変わってしまいます。「平等じゃない!おかしい!」と一般の方は思われるかと思いますが、病院にもある意味選ぶ権利はありますし、それが医療の現実です。
関係性というものは目に見えない部分ですが、評判と近いものがあります。直接本人に聞けにものですが、周囲に聞いてみたり、院内の掲示物に目を凝らしてみれば意外と見えてくることもありますので、まずは意識してみましょう。
※注:一般人が良いと思う事と、医療関係者間で良いと思う視点は異なります。一般人目線で考えると失敗します。
病院ごとのポイント
愛育病院 (医療法人菊郷会)
アクセスの良さ | 〇 | 地下鉄東西線「円山公園駅」から徒歩7分 駐車場:外来受診は無料 徒歩1~5分のところにバス停あり |
小児科専門医の有無 | ◎ | 常勤医1名(男性) |
医師、看護師の対応 | ◎ | 処置時、医師は子供にもしっかり説明をしてくれる。診察が終わると「何か聞きたいことありますか?」と毎回医師から不安を軽減する声掛けがある。 時々、ご褒美シールをくれる。看護師もやさしい。 北海道大学・小児科の医師派遣先。若手医師は定期的に変わるので、長期的に継続して一人の医師に診てもらうのは難しい側面有。 |
院内の設備 | △ | オムツ交換台あり(院内のトイレ)、授乳室無し、キッズスペース無し(絵本数冊あり) |
感染予防対策 | ◎ | 予防接種外来あり(月~金の午後)、乳幼児健診枠なし |
備考 | ・休診・代診となる場合がある(診察時間でも急遽、休診となってしまう時がたまにある) ・発熱時、発疹がある患者は隔離部屋で待機 ・小児科病棟がないため、入院時は他院へ紹介 ・比較的、空いている ・インフルエンザの予約が取りやすい ・電話、インターネットでの予約不可 ・徒歩1分のところに薬局がある |
|
場所 | 札幌市中央区南4条西25丁目2番1号 TEL:011-563-2211 |
|
ホームページ | https://www.aiikuhp.or.jp/department/index7.html |
NTT東日本札幌病院
アクセスの良さ | ◎ | 地下鉄東西線「西18丁目駅」より徒歩5分 市電「西15丁目」電停より徒歩1分 駐車場:外来受診で一回400円 |
小児科専門医の有無 | ◎ | 常勤医1名(男性)、予約外来は他の医師担当 |
医師、看護師の対応 | ◎ | 医師は的確な説明と必要な検査をすぐに行ってくれる。 「こういう症状がでたらまた来てください」」と、再診が必要な場合の説明もしてくれる。 看護師もやさしく、注射や採血が必要時は子どもにも説明し、なるべく親も付き添ってもらうような説明がある。 (※処置の際、保護者は見えない外で待つよう指示される小児科がよくある) |
院内の設備 | ◎ | オムツ交換台あり(2台)、授乳室あり、キッズスペース無し(絵本数冊あり) |
感染予防対策 | ◎ | 予防接種外来あり(火・木の午後) 乳幼児健診枠あり(火・木) 発熱、発疹がある患者は敷居で区別されている場所がある |
備考 | ・電話予約、インターネット予約なし。 ・待ち時間がかかる、会計も結構待つ(30分以上)。 ・点滴が必要な際は子ども横になっていられる「点滴室」という部屋がある(6人くらい寝られる)。 ・他科(子どもなら特に耳鼻科や皮膚科、心臓内科等)にもすぐ受診できる。 ・入院時は転院しなくてすむ。 ・夜間や土日休日に急変した場合、救急外来があるため電話相談できる(他にかかりつけがある場合は不可)。 ・吸入器を貸してくれる(2週間)。 |
|
場所 | 札幌市中央区南1条西15丁目 TEL 11-623-7000(診療案内) |
|
ホームページ | https://www.nmcs.ntt-east.co.jp/medical/syonika/index.html |
円山ため小児科
アクセスの良さ | × | 公共交通機関での移動は難しい 駐車場:1~2台 近隣のコインパーキングに駐車の際は、駐車料金の一部を補助あり |
小児科専門医の有無 | ◎ | 常勤医1名(男性) |
医師、看護師の対応 | 〇 | 医師はさっぱりとしている 看護師も淡泊な方が多い |
院内の設備 | △ | オムツ交換台なし、授乳室あり、キッズスペースなし、絵本や大人用雑誌数冊あり、子ども用トイレあり |
感染予防対策 | 〇 | 待合室は狭い(3~4家族座るといっぱい) 予防接種専用の枠がある |
備考 | ・インターネットから診療予約ができる(診察は当日のみ、予防接種は1カ月先から予約可能)。 ・18:30までやっている曜日がある。 ・インフルエンザワクチン接種は親も予約すればできる。 ・吸入器を貸してくれる。 ・同じビル内に薬局あり。 |
|
場所 | 北海道札幌市中央区北1条西23丁目 RK円山鳥居前ビル 3階 TEL 011-623-5755 |
|
ホームページ | http://www.maruyama-tame-shonika.com/ |
北海道医療センター
アクセスの良さ | △ | 徒歩2~3分のところにバス停留所がある JR琴似駅からタクシーで約1,200円前後 地下鉄琴似駅から タクシーで約1,000円前後 駐車場あり(無料) |
小児科専門医の有無 | ◎ | |
医師、看護師の対応 | △ | ・医師は比較的相談やコミュニケーションをとりやすい。 ・採血や注射などの処置の際、子どもが「ママもいてほしい(1歳後半の時)」というも、「お母さんは待合場でお待ちください」という説明で、待合では処置で泣く子どもの声を聞くというつらい経験をした。 (我が子は処置時に拘束を行うなどの説明もなし、処置室に入ったら看護師2~3人で押さえつけて採血している姿をみて衝撃でした) |
院内の設備 | ◎ | ・院内は綺麗 ・オムツ交換台あり(院内のトイレ)、授乳室院内にあり、キッズスペースあり(ブロックやアンパンマンなどのおもちゃがある) |
感染予防対策 | ? | 不明 |
備考 | ・小児科入院病棟がある ・比較的混んでいる ・予約でも待ち時間が長い ・院内に専門診療科が30もあり総合医療にはいい |
|
場所 | 札幌市西区山の手5条7丁目1番1号 TEL011-611-8111 |
|
ホームページ | https://hokkaido-mc.hosp.go.jp/ |
むらしたこどもクリニック
アクセスの良さ | 〇 | 地下鉄東西線「円山公園」5番出口からすぐ 駐車場:ビル隣り、自走式駐車場あり(費用自己負担) |
小児科専門医の有無 | ◎ | 常勤医1名(男性) |
医師、看護師の対応 | △ | 医師はさっぱりとしている。 医師の口調が強い。 看護師や事務はやさしい。 |
院内の設備 | △ | ・綺麗 ・オムツ交換台あり(ビル内のトイレ)、授乳室院内にはなし、キッズスペースなし、待合スペースは狭い |
感染予防対策 | 〇 | ・発熱時は隔離部屋(カーテンでの仕切り)に誘導 ・予防接種、乳幼児健診時間枠あり(月・火・木・金の午後1:30~2:30) |
備考 | ・電話予約可能 ・インターネット予約可能(再診のみ) ・インフルエンザワクチン接種は毎年比較的に空いてる |
|
場所 | 札幌市中央区大通西25丁目1-2 ハートランド円山メデイカルビル 2F TEL 011-640-7300 |
|
ホームページ | http://www.murashita-children-clinic.com/ |
サッポロファクトリー・こどもクリニック
アクセスの良さ | 〇 | サッポロファクトリー内に常設 地下鉄東西線「バスセンター前」8番出口から200m 駐車場:貴院受診時4時間まで無料 |
小児科専門医の有無 | ◎ | 常勤医1名(男性) |
医師、看護師の対応 | ◎ | ・医師の説明がわかりやすく、的確な判断をしてくれる。 ・必要な検査はすぐに行ってくれる。 ・入院が必要時、患者の家族に相談し入院先の病院を一緒に考えてくれる。 ・看護師、事務の方もやさしい。 |
院内の設備 | ◎ | ・院内綺麗 ・オムツ交換台あり(院内のトイレ)、授乳室あり(院内にあり)、キッズスペースあり(おもちゃ、絵本が比較的多い)、待合スペースは広い(2か所に分けられている) |
感染予防対策 | ◎ | ・予防接種、乳幼児健診の特別な枠はないが、一般の診察と予防接種の受付、待合室、診察室が別々になっている |
備考 | ・土曜日の診察あり(予約患者、午前診療のみ) ・インターネットからの予約可能 ・子供と一緒に成人の診察も行っていたが、現在コロナウイルス流行を考慮し控えている |
|
場所 | 札幌市中央区北2条東4丁目1-2 サッポロファクトリー2条館4F TEL : 011-223-7800 |
|
ホームページ | http://www.dosanko-c.com/sf-kids/ |
ほしい小児科・整形外科
アクセスの良さ | 〇 | 駐車場:あり(10台、病院となり) 地下鉄東西線「西18丁目駅」から徒歩5分 市電「西15丁目」から徒歩5分 |
小児科専門医の有無 | ◎ | 常勤医2名(うち小児科医師女性1名) |
医師、看護師の対応 | △ | ・医師に相談はしやすいが、ねぎらいの言葉が少ない ・医師の考えが強く、親の意見に耳を傾けようとしてくれない ・否定されてしまう時が多々ある ・看護師、事務はやさしい |
院内の設備 | ◎ | ・オムツ交換台なし(院内ベビーベッドがあり、オムツ交換可能)、授乳室なし、キッズスペースあり(おもちゃ、絵本が比較的多い)、待合スペース比較的広め |
感染予防対策
(予防接種外来、乳幼児健診枠の有無) |
◎ | ・予防接種専用の時間枠あり ・キッズスペースは隔離部屋のようになっており、風邪などの症状がある場合は使用できない |
備考 | ・インフルエンザワクチンは子供と一緒に大人も接種可能 ・整形外科と同じフロアなため、待合席は成人(ご高齢の方が多い)と一緒 |
|
場所 | 北海道札幌市中央区南4条西16丁目1-28 TEL:011-561-2132 |
|
ホームページ | http://www.hoshiiseikei.com/pc/ |
まとめ
人によってかかりつけ医を選ぶ基準はそれぞれであると思います。実際に、予防接種や診察を受けてみないと分からない面が多々あると思います。
“ここなら安心”と思える病院がきっと見つかると思いますので、まずは受診してみて、気になる点があれば、迷わずいくつかの小児科を受診してみるのがいいと思います。
子どもにベストな治療を決めてあげられるのは保護者の皆さんです。